Vol.003
事務所のコンバージョンの話 その3

いよいよアケてみる。
解体作業が進むにつれて、予想はしていたものの、それ以上に傷みが激しい。
床が腐っているだろうと予想された南西の部屋は床の垂木がかなり腐っていた。水回りの辺りは湿気が抜けないような床下で、そのため腐れが酷く進行していたのでしょう。
写真で見る限り、それ程傷んでいないように見えますが、実際には見えない部分の傷みはかなりのもの。








まずは、作業がしやすいように、外のブロック塀を取り除きます。2棟を分けるため、これを取り除くと広くなって車が駐車でき、また裏も取り除いて材料置場に。それから、内部の解体作業を進めていきます。



当初は南の棟にあったトイレと風呂はそのまま、風呂場は物置にしようと考えていたが、柱が腐ったりシロアリにやられており、支えになっていなかったのでいっそのこと取っ払った方が広くなるということで、南の棟は一間の大きな空間ができることとなったのです。
壁一面を全て書棚にしようかとも思ったが、これだけの広い壁面がもったいないだろうということで、家具のみをおくことに。

だいたいのプランが固まって、作業は進む。

が、壊しながら直しながら作っていくという作業は大変です。柱という柱、全てが曲がってます。何十念も経っている木造ですから当然、木は曲がって歪みます。
それを修正するように調整しながら床面、壁面の水平垂直を出すのはとてもじゃないけど無理。
なんとか我慢できる程度に辻褄を合わせて壁や床の面を出していったのです。

予算が少ないケチケチコンバージョンなので、材料費を極力抑える。
床下の垂木は釘を抜いて再利用。床板も釘を抜いて、再利用。腐ったりして足らなくなった部分は間引きや他の不要となった廃材を利用…涙ぐましい努力。

その間にも、細かなプラン修正と内外装のデザインを考えていきました。
床材は、針葉樹合板をそのまま(通常構造材に使われるものですが)木目を生かして使うことに。おそらく、他のコンパネより安いでしょう。


<つづく>
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